2008年11月2日・3日
ヴィジュロック・ミュージカル『KELOID』
開場18:00
開演18:30
ライヴハウス・新宿Motion

劇作 倉垣 吉宏
演出 SAI
音楽 Under Ground Theater

出演
倉垣 吉宏
本田 良
ヒグチ ナオコ

双山 あずさ(NUDO)
津賀 保乃(天才劇団バカバッカ)

渋谷 翼
メグル
田辺 辰樹(A day of STunWeather)
Cuu-

TICKET
前売:2,500yen
当日:3,000yen
前売ペアチケット:4,000yen

―仮面を脱いだ激白―

演劇エンジン・彩(ENGEKI×ENGINE‐SAI‐)
2004年、倉垣を中心として結成されたこの演劇ユニットは当初、
「少数精鋭による、芸術至上主義の本当に面白い演劇を作る。」
といった理念を基に、活動をしていた。
それは関東で主流であったプロデュース公演のシステムに対するカウンターであった。
「大した実力も才能もないくせに、そこそこ有名な劇場に金払って、チケットもだから高くて、
やたら衣装や照明や音響にこだわって、芝居は糞。
それで演劇人ぶってる奴らばかり。それが東京。だから俺らは逆を行く。
セットがなくても、場所はマイナーでも、大した音も照明もなくても、最高の演劇を作って観せてやる」
地域演劇活性化の活動、路上演劇及び路上でのロングラン公演………
演劇的なメインストリームからかけ離れて活動を続けてきた彼らが、
約一年の沈黙を破り………活動を再開する………。

その演目は、あの『KELOID』である。 しかもライブハウスでのロック・ミュージカル。
更に彼らはこれを機に、自らの名前を”SAI”へと改めたのである。
この約一年の間に何があったのか……
今回は第一弾として、フロントマンである倉垣吉宏にインタビューを行なった。
タイトルにある通りの濃密な激白を、一字一句取りこぼさずに活字化した。
刮目して欲しい。
なぜならそこに、演劇の未来があるからである―。

―最後にインタビューしたのは確か、三次元ですね。

「そうだねー。そうすっと……丸一年ぶり?久し振り。」

―お久し振りです!今日は聞きたいことだらけなんですけど。

「んー。なんでも聞いて下さーい。僕も喋りたくて仕方なかったので。」

―はい。早速なんですが、この一年何してたんですか?

「ケロイド。ずっとケロイドしてたよ。」

―えっ、そんなに長い期間準備されてたんですか?異例ですね。

「異例だね。去年の製作ペースからいったら、完全にイレギュラー。」

―去年は『PARADE』『ロマグロ』『三次元』と、『三次元』に至っては短編とはいえ三作品で。

「あと『HOLY MAGIC』ね。演れなかったけど。勿体なかったな。」

―再演が全くなかったんですよね。全部新作で。

「そうだね。」

―その流れであえて再演、あえて『KELOID』は何故なんですか?

「流れってゆーか………

去年は自分たちとしてはミュージシャンで言うとこの”シングルいっぱい作ろうぜ!”てノリで。

今年は真逆で”アルバム作ろう。超練り込んだ、すごいやつ”て感じで。」

―しかも路上ではなく、箱物として。

「路上はもうやることさんざやったからねー。

現実世界に非現実を投げ込んで、それがどう化けるのか。

そこからはじまって、演劇の良さを一般層にうったえたいとか、見易い短編とか、なんか色々やって。

ちょうど鹿殺しが路上からフェイドアウトしてくのと、うちらが精力的にやってた時期が重なってさ。

鹿の真似して、コマーシャルで路上来る劇団とか増えてきてて。

そんな状況で、路上でコマーシャルじゃなくて、純粋に作品をやってたからね。完全にアンチだよね。

秋葉原とかでさ、こう、アイドルの追っかけとかに邪魔されたり場を仕切られたりするわけでね。

段々それにもムカついてくるわけよ。

東京もさ、下らないやりかたでストリートパフォーマーを支援してたりでそれももうよく分からなかったし。

議員連中はパフォーマーを選挙の道具にしたりとかでね。」

―『三次元』の千秋楽ですね。

「そう。それらがずっと積もってて。極め付けは、やっぱ12月の中止。

これでもう、未練はなくなった感じでさ。

国家権力も企業によって動かされるわけでね。阿呆らしいよね。

実際、飽きもあったし。新しいことしたくなってきちゃったんだよね。

だからタイトル同じでも『KELOID』は、ハッキリ言って別物だからね。」

―いったいどんな点が?

「まずキャスティングが違う。 僕がコーシーやるし、本田がケンやるし。

で、ライブハウスだし。前みたく、木村くんの生演奏だけじゃなくて、バンドが入るしね。

あと、一番大きいのは、今書きたかった事、言いたかった事を存分に書けた…てのはある。」

―それは一体??

「社会で人が生きることって、舞台とそっくりなんだよね。

皆、職業であったり立場であったりの”役割”が必ずある。

何もなさそうなホームレスですら存在することで危機感を煽るし、殺人行為もそう、

良識や常識のカタチを見つめる役割になる。

望んで、理解して、その役割を演じることと、何も分からずに踊らされることじゃ、まるで意味が違うよね?

犯罪者ですら、役割があるとするなら……とかね。」

―”社会の中での自分の役割”それがテーマなんですか?

「テーマではないね。全体を作る骨だな。テーマとしては”絆”これにつきる。

ベタだけど、生きることは自分に向き合い、そしてその自分で、大切な人に向き合うことだと思う。

友や家族や恋人や、身の回りの大切な人たちと、どう付き合っているか…そんなとこかな。

ま、いつも通り複雑にしてるから、どこに引っ掛かるかはその人次第だけどね。」

“サイ”じゃなくていい。”倉垣吉宏”でいい。
わずか1%でもいいから、人の心に僕が作ったものが、
かすってくれれば―

―名前を”SAI”に変名したのは何故ですか?

「演劇って、カッコいいですか?」

―えぇっ…!?

「僕は正直、格好悪いと思ってる。

どんだけ頑張ったって、芸術的に装ったりしても、全然格好悪い。

何したって格好悪いし、貧乏くさいんすよね。」

―否めない部分ではありますが、だからこそ精神的にはロックで、

格好良くストイックに行こうてしてたわけじゃないですか?

「それもやっぱり、演劇てなるとダサいわけなんだよね。

芸術てさ、結局なんだかんだ言ったって、マスターベーションなわけじゃん。

オナニーの技術っつーか。」

―……そうですね。自己満足ではいけないというのが定説ですけど。

「その自己満足なやり方すら人が見てもなんとも感じさせられないなら本当に最低だと思うのよね。

特に役者だったりすると自分の恥が見せ物で、そこが魅力なわけじゃない。

お笑いなんかもそーだし。結局は娼婦と同じなわけでさ、客に犯されてなんぼなわけでしょ。

AV女優とか、そういう意味では最高の役者だと思うもんね。

昔の花魁の在り方なんか凄い象徴的だよね。ロックだし、娼婦だし、でも憧れられるわけだし。」

―そうすると今の全てが納得いかないから、名前から”演劇”の冠を取ったって事ですかね?

「まあそうだね。自分たちが『演劇!演劇!!』ていうのと、

音楽やってる人で『ロック!ロック!!』てのは似てて。格好悪いなって。

ジャンルに対する固執っつーか。クラシックの人もそうかなぁ…。

なんかもう演劇って結局なんでもアリなんだからさ、

観た人が『演劇だな、演劇っぽいな』と思ったらそれでいいわけだし、

『演劇っぽい、お笑いなのかな?』と思ったらそれでもOKだし、

こっちがそんなに決め付けなくていいわけじゃんて思って。

路上の時なんてご大層に『演劇とはこういうもんだと分からせてやる!』みたいに思ってたりしてさ、

なんかそーいうのも凄い嫌になって。

もっと気持ち良くなろうよって、楽しくなろうよって、

そう思ったら『演劇の中心核=エンジンになる』ていう名前自体嫌いになってさ。

だから取っちゃった。」

―完全に名前を変えなかったのはなんでですか?

「色が好きなんだよ。

世の中にこれだけ人も生き物も溢れてるのに、色でその存在が別れてるじゃん?

自然界ならさ、外にむけて自分はこーなんだぞ!てアピールする動物…蜂とか、南米の毒蛙とか…

そーいうのがイイんだよね。個性の数だけ色があるって感じで。

『彩り』を意味するこの名前だけは好きで。

それだけいろんな人や表現が集まってひとつの世界を作るわけじゃない?」

―その名前だけで演劇の可能性と意味を集約してますもんね。

「うん。ただ結局ね、倉垣吉宏って表現者が出来ることってのは、

役者だったり、戯曲書いたり、演出したりってさ、演劇的なことが大半なわけだよ。

それしか出来ない。だから自分の自己満足を高めていかないと演劇的なクオリティは上がらない。

こういうのが好きとか気持ちいいとかが明確でないと、

他人と…他のアーティストと絡んだ時に全く気持ちよくないんだよね。」

―いいSEXじゃないと(笑)

「そう(笑)でさ、そういうのって観てる人も不快だからね。不快なSEXは観てる人も不快(笑)」

―なるほど。今回なんかはこれまでの”少数精鋭の演劇”から、

否定してきた”ごまかしの多い演劇”のやり方をあえて選択したわけじゃないですか?

人がいっぱいいるっていう…そこは諦めた部分なんですか?

「いいトコ取りみたいなことはしないよ。ごまかしもしない。

よそがやってるのは『この役者は笑いに秀でているから笑い担当。泣き担当。』

とか得意分野で分けて使ってるけど、今回は得意分野ありきの上で苦手なことも好きになろうと皆してる。

これはやっぱね、他ではないよ。観れない。SAIじゃなきゃ観れないステージになる。」

―いい切りましたね(笑)

「前はどっか逃げがあったからね。自信がないっていうか。

“サイ”ていう架空のペルソナを作って、そこで何とかごまかそうとしてたけど。

それもいいや、いらないや、てなって。

世間的にはたぶん、SAI=倉垣吉宏なんだろうから、偽ってても仕方ないと思った。

だから僕は僕が本当に納得する作品を作ろうと決めたのよ。

そしてそこで生まれてきたものが、わずか1%でもいいから人の心にかすればいいと思っているし、

そんな存在じゃなきゃ(SAIは)きっと意味がないと思うんだ。」

―素直になろうって事ですよね。

「まあそうだね。本当にそうだな。だからきっと、これからはもっと尖って行くよね。

どんどん変わっていくからね。去年みたいなペースでやる時もあるだろうし。」

―そういえば今回は『ケロイド』だけではなく、他にもアーティストが出演してライブしたりするんですよね?

「早いね(笑)そうだよ。これもSAIだから出来るイベントかなって。

若手の演劇があって、バンドがあって、木村のソロみたいな一般的な人が触らないジャンルがあったりとか……

最後にケロイドで締めるわけだけど、皆決して前座じゃないんだよね。

全部ひっくるめて今回の公演だから。だから出来たら、最初から最後までを観て欲しい。

そのために宣伝出来ることは何でもするしね。」

―そうですね。新生”SAI”…11月が待ち遠しいですね。

「カレンダーや携帯のスケジュールにチェックして、指折り数えて下さい(笑)」

2008.8.1.

UnderGroundTheater

今作「ヴィジュロック・ミュージカル KELOID」は、
音楽×演劇のコラボレーションによるロック・ミュージカルである。
「パンク演劇」とも呼ばれる痛烈なメッセージを持つSAIの作品と共存し得る、
強烈な個性を有したバンド……そして中核を担う存在……
その名は、「Under Ground Theater」(アンダー・グラウンド・シアター)
シブ(Guitar)、メグル(Bass)、田辺辰樹(Drums) 、
そして木村宏史を加え結成された架空のロックバンドである彼らは、一体何者なのか…?
その人物像を知るべく、彼らにインタビューを行なった。
今回は劇中のメイン・ヴォーカルを担当する倉垣、本田の両氏とシブ、メグル、田辺氏のインタビューとなった……。

「全く知らない人と一緒に演るなんて、ワクワクするじゃない?」―シブ―

―はじめまして、Under Ground Theater(以下UGT)の皆さんです。今日はよろしくお願いします。

UGT「イェーイ♪(拍手)」

田辺「いらっしゃいませ~♪何名様ですか~♪」

―いきなりハイテンションですね(笑)今日はいろいろお伺いさせていただきます。
まず大半の人がポスターやチラシを見て”UGT”て何だろう?と思うんですね。
これまでは”音楽 木村宏史”だったわけですから。

倉垣「…ポスター見て…『コレ、地下でやるんですか?』て言われた。」

田辺「やっばい!めっちゃアンダーグラウンドですね~!」

倉垣「(会場が)全然地上なんだけどね(笑) 確か、3階か5階くらいだよね?」

田辺「オン・ザ・グラウンドですよ!オン・ザ…………あってんのかな?」

倉垣「あってるでしょ、多分。テキトーなコメントやな、コレ(笑)」

メグル「………(笑)」

―まずは参加の経緯からお聞きしたいんですが…

田辺「俺からっスか?」

―喋りたい人からでOKですよ(笑)

田辺「じゃあシブさん。」

シブ「(笑)そーいうの、アリなの?じゃあ…ギター、ベース、ドラムといって、ベッチ(※田辺の愛称)で落とすんだね。」

田辺「落ちるかどうかわかんねーけどな(笑)」

―最初はシブさんはドラムとしてのオファーだったんですよね?
そして田辺さんは、音楽監修のような役割になる筈だったとか…

シブ「そっか!じゃあ俺がドラムやってたら、ベッチは叩いてなかったんだ!」

―ドラマーとして、オファーが来た時はどう思いました?

シブ「ドラマーとしては、正直やる気はなかったな。
バンド(son)としてドラムやりながらそれとは別で、自分がギター弾くバンド組みたいな~と思ってた時にこのオファーが来て。」

倉垣「それであれだよね?『俺、ギター、超~上手いんだけど!』て、不意なカミングアウトがあって。
はじめはギターは木村くん一本で考えてたんだけど、シブやんが弾けるってことでイメージが変わって。
しかもシブやんのギターは………。」

シブ「メタルだからね!!!!(笑)」

倉垣「そう!木村くんと違うアプローチのギターがいると面白いんじゃないのか、
バンドとしてもツインギターの方が格好イイんじゃないかっ!?て思い………」
その場で『じゃあ、ギターで』てお願いしたんだよね(笑)」

―行き当たりばったりですね(笑)

シブ「ただそん時に出した条件が(カバーでも)原曲通りはやんないよ、
ヘヴィメタル的にアレンジしちゃうよ?て。全曲ヘヴィメタルになっちゃうよ?て。
まあ結局全てヘヴィメタルになっちゃったわけだけど。」

倉垣「なってないでしょ!(笑)」

シブ「こう、結局DMC(※映画、漫画で人気のデトロイト・メタル・シティの略称)的になってしまったわけだけど。」

倉垣「完全に勢いだけやな(笑)」

シブ「こう……UGTの……DMCならぬ、UGTのヨハネ・シブヤ・Ⅱ世みたいな。」

一同 (笑)

田辺「ヨハネて!大層な(笑)」

メグル「ヨハネ……?ヨハンの間違いやないんスか?」

シブ「まあ!そんな感じだよね!!!……本田氏とはね、前から何かコラボしようとね?」

本田「そうそう。結構話してて。何気にSAIの公演もよく観に来てくれてね。」

シブ「そうだね。ケロイド(2006年、東京版)も観たしね。」

本田「その時のシブさんのブログで感想も書いてくれてたしね。」

シブ「熱い男だからね、俺は!」

本田「ギター(木村)が凄かった!俺も負けてられん!みたいなね。」

シブ「ああ~!書いた書いた!そうなんだよね…。(しばし考えるようにして)
だから、今回の話はとても楽しくてね。
全く知らない人たちと演るってのはね……ワクワクするじゃない?」

―そうですね!こっちも楽しみですけど…。

シブ「でも何気にベッチとは一回会っててね。こう……三部作的なね。」

田辺「三次元(2007年、短編路上公演)ね。」

シブ 「三次元的な時に。ドラムの話をしてね?」

田辺「チラッとね。『何コイツ、でっけ!!メタラー?恐ッ!!恐ッ!!』」

シブ「あれ、俺、メタラーなんて言ったっけ?」

田辺「いや違う。俺が思った。何やってんスか?何好きなんスか?
て聞いたら『パンクやってるけどメタルが好き。』………メタル?恐ッ!!!ゴイスーにワイコー。」

シブ「そんな恐そうな雰囲気出てなかったでしょ?」

田辺「全然出てなかった(笑)」

シブ「で、下手だなって思ったと(ドラムが)」

田辺「一言も言ってないでしょ!(笑)どんだけ上目線なんすか。」

シブ「ドラムに関しては全く自信ないからね(笑)」

田辺「ネーガティーヴ!!」

―失礼かもしれませんが、ギターの自信は?

シブ「ギター?ギターはよく『アレ、俺、超天才じゃん!』て思うよ!」

一同 (爆笑)

「飢えてたんですよ。なんか………いいなーて。楽しいなーて。
…で、今に至るですよ。」―メグル―

―えーでは、続いて、ベースのメグルさん。

メグル「…はい。」

―オファーが来た時、どう思いましたか?

シブ「アレでしょ!どーせ、ヘヴィメタルのバンドのベースしかやんないよって言ったんでしょ?」

メグル「言ってない(笑)」

倉垣「メタルの”メ”の字も無かったけど(笑)」

シブ「そうか。それは早とちりだったな!」

メグル「………本当に…でも……やるとは思わなかった。話聞いてみたら?ぐらいに思ってたし。」

シブ「……そうか。ヘヴィメタル・バンドしか参加する気がなかったんだ。」

田辺「何でそんな自分の物差しなの!!(笑)」

メグル「(笑)………最初はね…乗り切じゃ…なかったんスよ。やりたくなかった。
自分のバンドも活動停止してたし。……でも……こう……敢えて、やろう思ったんすよ。
音楽したいし。」

シブ「つまりは、筋トレ的な感じでしょ?自分に負荷をかけて強くする…みたいな!?
大胸筋にベンチプレスを乗せて『ぐくくぅ……お、重たいぃぃ…!!!』みたいな。
そんな時こそ筋肉が強化される!みたいな感じでしょ!?」

メグル「ああまあそんな感じで…(笑)……まあ…あれですよ。自分を押してやらしたみたいな。
『もう、コレ、やった方がいいよ』て。音楽的なつながりも増やしたかったし。」

倉垣「初めの音合わせ終わってからで返事はいいよって話してたしね。」

メグル「本当に自信なかったし、やりたくなかったんすよ。
他の人、経験あるし。だから、あたしも、音合わせして、それから決めて下さいって言ったしね。」

倉垣「そうだよね。音源とかもなかったし、音楽的にはさっぱり未知だったし。
ただ、たぶん誰もそうだと思うけど、俺は演ってるとこを観た事がない。人間性を知らない。とかって人は先ず選ばないから。
どっちか知らないと絶対演れないし。」

メグル「でもあたしの場合はどっちも知らなかったじゃないすか。」

倉垣「そう、だから一番コミュニケーションとったもん。知りたいから。」

メグル「……今思ったら、なんで選ばれたんかな?て思う。」

倉垣「んー……直感。でも、何だろ……喋ってる時の感じが木村くんと似てたのよね。
話の深さというか流れというか……だから感性的にはズレてないだろって、大丈夫だろって。」

メグル「はー…。でもそれってすごい賭けやないすか?」

倉垣「大丈夫。自分の直感信じてるからね(笑)」

メグル「ほー(笑)」

本田「いっつもスタジオで”アヒャヒャヒャヒャ!”笑ってるイメージしかないから、いろいろ聞けて新鮮やわ。」

一同 (爆笑)

本田「ゴリラ!ゴリラ!!アヒャヒャ!!」

田辺「ぶっ殺すぞ!!!」

メグル「(笑)いや、意外に真面目なイメージなかったすか?」

本田「真面目なんやろーなーという予感はしてたけど。『あ、やっぱ真面目なんや!』て。」

メグル「よ、予感なんや(苦笑)」

―初合わせの時からすごい練習してきてたそうで。

メグル「ギリギリでしたけどね。あの日、不安で。もう泣きそうやったし。」

田辺「そいやさ、いつから?いつからよし、やろう!て思ったの?
決定的な転機は?」

メグル「えっ………ん…………それはもう………知らんうちに……。
やっぱ合わせるのんが楽しいやないすか。自分がベース弾いて、合わせるってのが……。」

倉垣「そーいうのに飢えてたんだねー。」

メグル「そう!飢えてたんですよ。バンドないし、楽器合わすこともなかったし。
なんかいいなーて。………で、今に至るですよ。気付いたら今ですよ。」

シブ「…うん、でもね、良いベース弾くよ。非常にね、合わせやすいもんね。」

メグル「いやいやそれ酔っ払って(言ってる)だけでしょ(笑)」

シブ「本当だよ!リズムがね、エラく正確だよね?そう思わない?」

田辺「うん………結構ね、正確ね(笑)」

シブ「うん。だからね、ベース聞いててね、合わせやすいもんね。正確だからね。
……だから自信持った方がいいよ。」

田辺「おおっ!?」

倉垣「フ~♪(笑)」

メグル「ちょっと何これ、どうしたらいいの(笑)」

倉垣「シブさんの褒め殺しがはじまった!!
普段、ジャギジャキジャギャワ~ン!!て悶々て弾いてるだけなのに(笑)今日に限って(笑)」

シブ「まあ基本、自分が好きだからね(笑)でもいいベース弾くと思うよ。」

メグル「あ……あぁ…ありがとうございます。」

シブ「エイトビートのノリが特に良いよね。」

田辺「エイトビートね。」

メグル「らしいっすよ(笑)」

「普通バンドってアレじゃない?嗜好の合った者同士が組むわけじゃない?
だから下手すっと、ポシャんじゃねーかって。
でも……やってみて……何とかなんだなって。
全然、何とかなんだなって。」―田辺 辰樹―

―続いて、池袋から来たドラマー、田辺辰樹さん。
田辺さんは、2007年の「PARADE~終焉の詩~」以来久し振りのアーティスト参加ということで。
しかも今回は本業のドラムとしての参加で。

田辺「はい。」

メグル「じゃあ結構長いんすか?」

倉垣「そーだねー。正式にSAIに入る前からだと……もうかれこれ2年くらい…かな?
こないだもそんな話になったね。」

田辺「音響やったりしてね。効果音作ったり。」

倉垣「(前説)喋ったりもしたね。」

田辺「あれはすっげー変だよ!(笑)
カーテンコールもやったけど、リングアナウンスみたいな…
『青コーナー……本田ぁぁぁ~良ぅおぉ~!』みたいな。」

本田 (笑)

倉垣「だから一緒に何かすんのは約一年振りだね。」

田辺「あれ、もう一年も前なんですか?」

倉垣「うん。…その時はこんなにヒゲも濃くなかったし……。」

田辺「あん時は伸ばしてなかったからね~」

メグル「えっ、じゃあこの人、もう(2年も)ずっとやってんすか?」

倉垣「や、ずっとじゃなくて、
ロマグロ(2007年、路上ロングラン作品…ロマンティック+グロテスクの略)で手伝ってもらったりしてて……。
あとは一緒に遊びに行ったり……。

田辺「よくうちのライヴに来てくれましたね。」

倉垣「あー!行った行った。」

田辺「この人はね~結構来てくれてたね…7割くらいかな。」

倉垣「えっ、そんなに??」

田辺 「来てましたよ。本田さんたちもココ一番では来てくれてたし。
『ありがとうございまーす☆』て。特別扱い(笑)」

倉垣「それが今じゃ『このドグサレがぁぁぁぁ!!!』みたいな扱いで。」

田辺 「基本俺、目上の人には敬語で。でもバンドだと面倒くさいからやらない。何も言えなくなるし。
だからだんだん変えて行ったね。」

倉垣「だんだんほぐれていった感じだよね。」

田辺「だっていきなり変えたら、すっげぇ失礼だもん。」

倉垣「でも年齢の差は感じないよね。」

田辺「全然、全然感じな~い。」

メグル「(田辺が)年上に見えるからな(笑)」

田辺「うっさい!老けてるって言うな。」

メグル「言ってねぇよ!自虐的だな。」

―(笑)今回は違いますけど、「PARADE」の時は最年少でしたもんね。

倉垣「そうそう。そういや、レバニラくんが照明として参加してて(笑)ドSな人でね…。」

田辺「笑いながら冷酷な事言うね……満面の笑みで『死ねばいいのに』て。」

一同 (爆笑)

倉垣「すっごいイイ人なんだけどね。本ッ当~にキレ者でしたね……元気してんのかな~。」

―当初は音楽監督的なポジションで参加予定だったんですよね?

田辺「そうそう……録った音源聴いてアドバイスしたり…とか。
本当にスタッフとか雑用ぐらいに思ってたから。
そしたら『あらららら?』て。(ドラムは)シブさんが叩くもんだと思ってたからね。」

シブ「そう?俺はベッチを推したけどね。」

田辺「俺のドラム聴いた事ないのに(笑)」

倉垣「はじめは凄い不安がってたもんね。」

田辺「うん。だから……普通バンドってアレじゃない?嗜好の合った者同士が組むわけじゃない?
プロでもそういう人が多いわけだし。しかも、メタルのギターとヴィジュアル系のベーシストって、
どっちも合わせた事ないからすげー不安で。

メグル「えっ、ヴィジュアル系て言ったんすか?」

倉垣「うん。だって分かりやすい説明だもん。ギターはメタラー、ベースはヴィジュアル系て。
誤解もされやすいけど。」

メグル「まあ確かに分かりやすいわな……。」

田辺「しかもヴォーカルが………言っちゃ悪ィけど素人だろ?って…。
下手すっとコレ、ポシャんじゃねーかって。恐ッ!恐ッ!!て。
………まあ……やってみて………何とかなんだなって。全然何とかなんだなって。」

倉垣「池袋のスタバで三時間ぐらい話込んだもんね。」

田辺「そうとう悩んだもんね。前のバンドも休止したりで……。いろいろあったし……。
ちょっと考えさせて下さいって、言おうかと思ったし。」

倉垣「でも他は考えられなかったからね。」

田辺「俺も、こんだけ言ってくれてるし、新しい事して行きたかったし……
あー!!!思い出した。決め手のひとつに木村さんとやりてえ!てのはあった。
前の時に木村さんの音源よく聴いてて、自分の好きな感じだったし。
『この人のギターとは、違和感なくすぐに合うんじゃないか?』て思ったし。」

倉垣「なるほど……。」

田辺「大体そんな感じですよ。」

―なるほど、わかりました。
ここに木村さんが加わって完成形となったUnder Ground Theaterが早く見てみたいですね。
本番前にシークレットライブやるそうで?

倉垣「そんな大層なもんじゃない(笑)
ベッチの知り合いのとこで、ちょこっと演らせていただく…みたいな感じで。」

―お披露目としてはそこが初ですよね?

倉垣「ですね。あー…また詳細は発表……します(笑)」

―お待ちしています。本日はありがとうございました。

一同「ありがとうございました~。」

2008.8,30.PM11:48.御茶の水、某所にて。